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ボンダイ・ビーチ銃乱射事件の裏の事情がコワすぎ | ネタニヤフ首相の真の目的とは?

  • 執筆者の写真: 香月葉子
    香月葉子
  • 2025年12月29日
  • 読了時間: 18分

更新日:5 時間前



【この事件のわかりやすさがコワすぎ】

 オーストラリアのシドニー近郊にあるボンダイ・ビーチで、クリスマスが近づいていた2025年12月14日に銃乱射事件が起こりました。

 15人におよぶひとびとが殺害された銃乱射事件です。

 負傷した方々は数十人を超えていると報告されました。

 容疑者はふたりで、父と息子。

 これがその現場で撮影された映像です。


 その日はユダヤ教を信奉する方々にとって「光のお祭り」とも呼ばれている8日間におよぶ祝祭「ハヌカー」(Hanukkah)の初日でした。

 それを祝うためのイベントにオーストラリアで暮らしているユダヤ人コミュニティーへの参加者があつまっていたのですが、その方々を標的にした襲撃だったため、大手メディアによるニュースでは、ご存知のように『反ユダヤ主義』(anti-Semitism アンチ・セミティズム)が動機となっている銃乱射事件である、という解釈がひろめられました。

 容疑者が乗ってきたクルマから過激派武装組織「イスラム国」(ISIS)の旗が2枚見つかったこともその筋書きを裏づけるものとなったようです。

 イスラム国(ISIS)という組織の思想にのめりこんだ者たちによる凶行である、というふうに。


 わかりすぎるほどわかりやすい政治家たちによる説明でした。


 容疑者の父と息子のふたりは、長めの銃身をそなえたライフル銃を使い、祝祭をたのしんでいたユダヤ系の人々にむかって50発にもおよぶ銃弾を発砲しました。

 父親のサジド・アクラム容疑者(50歳)は警察との銃撃戦で射殺され、息子のナヴィード・アクラム容疑者(24歳)は重傷を負いましたが、病院のベッドから初公判にのぞみ、テロ行為をふくむ数多くの罪に問われました。

 親子はインド南部のハイデラバード出身。



 オーストラリアのアルバニージー首相はすぐさま「ゆるしがたいテロ行為だ」という声明を発表し、「邪悪(pure evil)な反ユダヤ主義の行為である」ことを強調しました。


 ほんとうにわかりやすい事件でした。


『犯人はこのふたり。イスラム国(ISIS)の過激思想にハマり、犯行の動機はユダヤ人に対する憎しみ。これで一件落着。万事解決、捜査終了。では、次の事件はなにかなぁ~?』

 こんな感じでしょうか?

 亡くなられた方々と負傷された方々にはもうしわけないのですけれど、太平洋をはさんだ遠い島国で暮らしている女が抱いた印象は、正直なところ、この程度のものでした。


 けれども、もしかしたら、この銃乱射事件は、現在、世界の歴史と地図を塗り変えるかもしれない『米国 vs BRICS』という地政学的な構図に《通底》している「たくらみ」のひとつかもしれない。


 あまりのわかりやすさで、逆に、そんな疑念がわいてきました。



【政府の見解がコワすぎ】

 アルバニージー首相をはじめとして、当局による『この事件は反ユダヤ主義者によるテロ行為である』という声明が、事件後すぐに、ほとんど間髪をいれずに発表されたものですから、強風の吹き荒れている日の山火事のように、みるみる陰謀説がひろまりました。


①取り調べもしないうちから結論づけるのはあまりにも早計じゃない?


②ちゃんと事件の究明をしてから発表するのが道理でしょ?


③最初から犯人の動機を決めつけているとしかおもえないんだけど。


④もしかして事件後の台本(ナラティヴ)は用意されてたの?


⑤ということは、この事件が起こることを前もって知っていたという可能性すらあるかも?


 このような疑念の連鎖がネット上に拡散しはじめ、結果として陰謀説がわきおこってきたようです。


 とうぜんの流れかもしれません。


 じつは今年2025年の2月16日にもイスラム教徒による殺人事件が起こっていたのです。


 ただし、その場所はカンガルーの国オーストラリアではなくて、ヨーロッパの国のひとつでした。


 音楽の都・芸術の都が売りのウィーンを首都とするオーストリアです。


 犯行におよんだのは「亡命希望者」(アサイラム・シーカーズ)のひとりで23歳のシリア人青年。

 イスラム教徒で、犯行現場はオーストリア南部の街でイタリアとスロヴェニアの国境近く。


オーストリアのナイフ事件の現場(www.bbc.comより)
オーストリアのナイフ事件の現場(www.bbc.comより)

 彼はナイフを片手に歩行者をつぎからつぎへと刺して、14歳の少年を殺害したうえに5人の方々に重傷をおわせました。


 犯人は「ISIS」(アイシス)に代表されるイスラム過激思想に感化されていたと発表され、オーストリアの各党首たちはすぐさま「このような残虐行為はゆるされるものではない」とか「難民にたいするきびしい取り締まりが必要である」という声明を発表しました。


 このナイフ殺傷事件の被害者にはユダヤ人の方がいなかったのですけれど、イスラム教徒の難民、「とくにリビア・シリア・レバノン・イラク・イエメンなどから欧州に入りこんだムスリムは犯罪者の卵であり、難民たちが暮らしている町々は犯罪の温床になっている。いや、はっきり言って、テロリストたちの巣窟である」という意見がSNSなどを通じてインフルエンザのようにひろまったようです。



【カンガルーの国オーストラリア当局の独自性がコワすぎ】

 ところが、今回のボンダイ・ビーチ銃乱射事件に関して、オーストラリアの警察当局は、自国の政府とも、また、欧州の警察や政治家ともすこし異なった見解をもっていました。


「今回の銃乱射事件は一見するとイスラム国の過激思想に影響をうけた者の犯行に見えるかもしれません。そういう状況証拠もあがっています。けれども、ふしぎなことに、昨今のムスリムによる犯罪、とくにイスラム教国からの難民による犯罪を捜査しているうちに、つぎのことがわかってきました。ほとんどの場合、犯人たちは極端に生活に困窮しているわけではなく、また、イスラム過激派の思想に強い影響を受けているというわけでもないのです。まるで『お金をもらって過激派のフリをしたサクラ』(paid actor)がさまざまな犯罪行為におよんでいるとしかおもえません。それを裏づける証拠もあがっています。つまり、ムスリムによる犯罪の影には、生活に困り過激派思想に影響を受けた『フリ』をして犯行を重ねることのできる人間がいるのです。さらに言えば、そんな人間を選んで、彼らに近づき、勧誘して、計画通りに犯罪を行わせるための活動資金と労力を提供しているテロリストの下部組織(terrorist cell)があるようなのです。そしてその下部組織への財源を確保している『ある国家の影』が見え隠れしていることもわかってきました」



【事件後に出てきた奇妙な事実がコワすぎ】

 では、オーストラリア当局のいう「ある国家の影」とはどこの国のことなのでしょうか。


 イスラム過激派組織の思想に影響を受けたとみせかけて各国でさまざまな『やらせ』的犯罪をじっさいに犯すことのできる人間を育てあげている国。


 そんな『サクラ』的犯罪者を製造するテロリスト的小集団のためにお金を用意して裏から支えている国。


 それはいったいどの国なのでしょう?


 ネタニヤフ首相が断言するように「イラン」なのでしょうか。


 イスラエルの主要メディアのひとつ『エルサレム・ポスト』は、ボンダイ・ビーチ銃乱射事件をひきあいに出しながら、つぎのように説明しています。


「イスラエルの情報機関(モサドのこと)によりますと、イランが海外のユダヤ人コミュニティを標的にしているらしく、武器を密輸したりソーシャルメディアを使って暴力を煽動している、と警告しています」


 じっさい、イスラエルのネタニヤフ首相は今回のボンダイ・ビーチ銃乱射事件について、わずか数時間後につぎのような声明を発表しています。


「イスラム教徒によるテロ行為とユダヤ人にたいする犯罪のほとんどすべてはイランが後ろから糸をひいて計画していたものである」


 彼は今年の2月に欧州のオーストリアで発生したナイフ殺傷事件後にもおなじような見解を述べていました。


「イスラム過激派によるこのような残虐な犯罪の影には、それを行うテロリスト組織に資金提供をしているイランという悪の国家が存在していることを忘れてはならない」


 もちろん西側諸国の主要メディアBBCニュースやニューヨークタイムズも右へならえで、ネタニヤフ首相の見解をサポートするような記事を発表しつづけています。


「反ユダヤ主義に根ざす犯罪の多くは海外からの資金によって行われている」と。



【銃乱射事件がイラン・イスラエル戦争の引き金になりそうなのがコワすぎ】

 そして先ほどご紹介した『エルサレム・ポスト』はつぎのように報告しています。


「米国の政府高官がフォックス・ニュースに語ったところによりますと、もしもボンダイ・ビーチ銃乱射事件がイスラム共和国(イランやパキスタンなど)の命令によるものだったとしたら、イスラエルがその報復手段としてイランを攻撃する権利を米国は全面的に認めるだろう、ということでした」


 つまり、南太平洋にひろがるカンガルーの国オーストラリアでおきた銃乱射事件が、なんとイラン・イスラエル全面戦争への引き金の役割をになっているかもしれないのです。


 しかも、この事件が発生した数時間後には、イスラエルとアメリカの両国がほとんど同時に「イランに爆弾を落とすべきだ」という声明を発表したのですから、まさにその通りだと考えざるをえません。


 いったいどういうことなのでしょう?


 オーストラリアで暮らしているユダヤ人コミュニティーの方々が、残酷な銃撃事件の犠牲者になったからという理由で、イスラエルが大国イランとの全面戦争へ突入することを許可するという米国の思惑とはいったいなんなのでしょう?


 中東紛争をさらにエスカレートさせるような政策の背後にはどんな目的があるのでしょう?



【ネタニヤフ首相の警告がコワすぎ】

 この事件に先立つ2025年8月19日、ネタニヤフ首相がオーストラリアのアルバニージー首相へ手厳しい内容の手紙を送っていたことが、イスラエルの多言語オンライン新聞『タイムズ・オブ・イスラエル』によって報告されています。


 それによりますとネタニヤフ首相はつぎのようにオーストラリアを批判し、同時に、警告を与えていたと書かれています。



「今後、オーストラリアで『反ユダヤ主義的』犯罪が増えるだろう。それはすべてあなたの国がパレスチナを国家として承認するという決定を下したせいである」


 ところが、わたしはこの言い方に矛盾を感じてしまったのです。


 ネタニヤフ首相の警告では、今後オーストラリアでは『反ユダヤ主義』が燃えひろがり、ムスリム過激派がユダヤ人を殺害する事件があとをたたなくなるだろう、ということなのですが、どうしてムスリム過激派のひとたちがカンガルーの国「オーストラリア」でユダヤ人を殺さなければいけないのでしょうか?


 ネタニヤフ首相にいわせると、それはオーストラリアが「パレスチナを国家として認めた」ことが原因らしく、そのことがムスリム過激派の『反ユダヤ主義』という炎にガソリンをふりかけることになったのだ、と表現しているのですけれど、そこがわからないのです。


 そうではなくて、ほんとうはそれとは逆のことが起こらなければいけないのでは?


 怒りに燃えなければいけないのはユダヤ人コミュニティーに属している方々ではないでしょうか?


 なぜならオーストラリアはパレスチナを国家として認めたわけですから、イスラム教徒の方々にとってはこれほどうれしいことはないはずです。


 きっとハマスやヒズボラやフーシなど「テロリスト」と認定されたイスラム民族主義組織で戦っている方たちですらオーストラリア政府には拍手を送るのでは?


 それとは逆に、オーストラリアにお住まいのユダヤ人の方々はアルバニージー首相の官邸をとりかこんで抗議デモをおこなうべきなのでは?


「パレスチナの側にたつオーストラリア政府は明らかに『反ユダヤ主義』の肩をもっている」というシオニストのいつもの論法を盾にして。



【新たに判明した『やらせ』と『サクラ』がコワすぎ】

 ノンフィクションの『ゴリアテ:大イスラエルでの生活と嫌悪』で2014年にラナン文学賞を得た調査報道記者マックス・ブルーメンタール(アシュケナージ系ユダヤ人の方です)は次のように書いています。


 オーストラリアの警察当局が述べている捜査結果はすべて事実です。それはわたしたちの調査によってもたしかめることができました。

 その捜査結果とは先ほど読んでいただいたこの箇所のことです。


「ムスリムによる犯罪の影には、生活に困り過激派思想に影響を受けた『フリ』をして犯行を重ねることのできる人間がいるのです。さらに言えば、そんな人間を選んで、彼らに近づき、勧誘して、計画通りに犯罪を行わせるための活動資金と労力を提供しているテロリストの下部組織(terrorist cell)があるようなのです。そしてその下部組織への財源を確保している『ある国家の影』が見え隠れしていることもわかってきました」


 つづけてブルーメンタールはつぎのように述べています。


① けれども、オーストラリア当局はその国家が『イラン』であるとは言っていません。

② ある国がスポンサーになって世界中でテロリズムを扇動していることはまちがいないが、それがどの『国』なのかはまだはっきりとはしない、としか言っていないのです。

③ 性急に結論へ急ぐことはその『国』の思うツボにハマるということを意味しています。


 そのあとブルーメンタールはイスラエルで暮らしている10代の青年たちがオーストラリアのユダヤ人センターに匿名の脅迫電話を何本もかけていた事件についても述べています。


 たとえば、2016年から17年にかけて、ユダヤ系アメリカ人でイスラエルで暮らしていた青年が、米国のユダヤ人施設に2,000回を超えるでっちあげの「爆弾をしかけた」という脅迫電話をしていたことがわかり、イスラエルの裁判所において有罪判決を受けました。


 彼らはともにある人たちから「おこづかい」をもらっていたと自供していますが、そのことについてのくわしい説明をイスラエル当局はひかえています。


 また、マイケル・カダー(Michael Kadar)というユダヤ人青年は、自動ダイヤルソフトウェア(Robocall)をつかって、米国のユダヤ人施設だけではなく、オーストラリアのユダヤ人センターおよびユダヤ人学校・ユダヤ人病院・ユダヤの航空機会社「イスラエル航空」などへ590回にもおよぶ爆弾脅迫電話をかけていたことが判明しています。


 つまり、米国やオーストラリアで暮らしているユダヤ人のひとびとを怯えさせ『ユダヤ人憎悪』による『反ユダヤ主義』がひろがりつつあるという認識をあたえていたのは、なんとおなじユダヤ人で、しかもイスラエルに暮らしていた青年たちだった、という事実が明るみに出てきたのです。


 それをすべてムスリム過激派のせいにしてきたのです。


 なぜなのか?



【20世紀の世界ではありえなかった証拠映像の数々がコワすぎ】

 ところで、このボンダイ・ビーチ銃乱射事件には21世紀的な特徴があります。

 さまざまな場所から、さまざまな視点によって、銃撃戦のようすがビデオ映像におさめられていたことです。


 ひとびとみんながスマホを手にしている時代だからこそ、そのように目に見える証拠が残されたことはまちがいありません。



 その映像の残虐さを指摘しつつ、ネタニヤフ首相はこの事件発生後すぐにオーストラリアのアルバニージー首相を非難して叱りつける内容の声明を発表しました。


「あなたの政府はオーストラリアにおける反ユダヤ主義の拡散をくいとめる努力を何もしませんでした。あなたは自分の国内で育っていたがん細胞(反ユダヤ主義のこと)を抑えるために何もしてこなかったのです」


「わたしがあなた(オーストラリアの首相のこと)に求めるのは決断力のなさを行動力に置き換え、妥協を決議に置き換えてほしいということです。そうするかわりに、アルバニージー首相さん、あなたは決断力の欠如を決断力の欠如で、妥協をよりいっそうの妥協で置き換えたのです」


「けっきょくあなたは何の行動も起こさなかった。あなたはこの病気(ガン細胞のような反ユダヤ主義のこと)を拡散させたのです。そして、その結果が今日わたしたちが目撃したユダヤ人にたいする恐るべき銃乱射事件なのです」


 このような上から目線でオーストラリアの首相のお尻を叩くだけではなく、このような事件が起こった根本の原因は「オーストラリアが2025年9月にパレスチナを国家として認めたことだ」と述べたのです。


「それが反ユダヤ主義の火に油をそそぐ結果となっている」と。


 けれども、この見解のせいで、逆に、この事件にはイスラエル諜報特務庁モサドがかかわっているのでは、という疑惑を招くことにもなりました。


 また、それ以上に、ネタニヤフ首相にとっては想定外のことが起こったのです。


 容疑者の手から捨て身でライフルを奪い取り、多くのユダヤ人の方々の命を救った男性が、なんとシリア人のムスリム(イスラム教徒)だったことです。

 これがそのときの映像です。


 この事件発生後、その勇敢な行動を耳にしたネタニヤフ首相はすぐさま「勇気あるユダヤ人が片腕をなくすリスクをおかしながら同胞を救ったのです」と発表したのですが、じつはその人物はユダヤ人ではなくてイスラム系市民のシリア人だったのです。


 それが世界中のひとびとの目にビデオ映像というかたちでひろまったのですからどうしようもありません。


 ネタニヤフ首相はさぞかしくやしいおもいをして歯ぎしりしたかもしれません。


 ついでに言うなら、今年の2月に欧州のオーストリアで発生したナイフ殺傷事件の犯人めがけて配達用の車でつっこんでいって、さらなる被害の発生を食いとめ、当局から表彰されたのもシリア系移民の方でした。


 いまのところ、どの国が『偽旗作戦』を決行しているのかはっきりした証拠はないのでわかりませんが、それがことごとく失敗に終わっていることはまちがいありません。



【ネタニヤフ首相の下心がコワすぎ】

 このことが『反ユダヤ主義』的な事件が起こるたびに勢いを得る「国」と、その国の「指導者」の期待と予想を裏切る結果をもたらした気がします。


 その国とは、すでにおわかりだとおもいますが、イスラエルです。


 そしてその国の「指導者」とはネタニヤフ首相のことです。


 現在の世界の状況を考えてみれば『反ユダヤ主義』的な事件によって得をする国はたったひとつしかありません。


 イスラエルです。



 とくにイスラエルの発展と領土拡張に重点をおいた民族運動『シオニズム』の影響下にあるアシュケナージ系ユダヤ人はつぎのように抗議するでしょう。


① これは反ユダヤ主義のひとたちが起こした事件なのです。


② 過去2千年間がそうだったように、わたしたちはそういう人たちから差別され、弾圧され、迫害されてきたし、いまもそうされています。


③ 第二次世界大戦中のナチス・ドイツが行ったホロコーストとおなじように彼らはわたしたちを殺そうとするし、じっさいに殺害しているのです。


④ 現在その悪魔はファシストではなくイスラム教徒たちです。


⑤ 彼らが生み出した過激派「テロリスト」はわたしたちユダヤ人を皆殺しにすることが目的ですし、イスラエルをこの地上から消し去ろうとしているのです。


 そしてネタニヤフ首相はムスリム過激派を「邪悪な者たち」(ピュア・イビル)と呼びます。


 けれども、現在もっとも恐ろしい残酷な行為を行なっている『完全な悪』(ピュア・イビル)とはイスラエルのほうではないでしょうか?


 彼らのパレスチナのひとびとにたいする民族浄化のための大量殺人は、ほとんどことばを失うほどの残酷さと悲劇をもたらしているとしかおもえません。


 そしてイランにたいする全面攻撃がなぜ必要なのかといえば、多国間主義によって世界の覇権地図に革命的な変化をもたらすかもしれない『BRICS』にとって、イランは重要な地理的拠点であり、またインドなどの『BRICS加盟国』への貴重な化石燃料の供給者でもあるからなのです。


 だからこそ米国とその『かませ犬』イスラエルは、どんな「屁理屈」(へりくつ)をこねてでもイランをたたきつぶし、彼らにとって都合のよいあつかいやすい政権を樹立させようと、さまざまな策略をめぐらせているのだとおもわれます。


 中国とロシアが建設した海路と陸路をつなぐ新たな物流ルート『新シルクロード』を《無化》するためには、まずイランを崩壊させることだ、という計画の一環なのでしょう。


 そのためにはイラン政府・首脳部の「首のすげかえ」(レジーム・チェンジ)が必要です。

 でも、もし、それが失敗に終わった場合には、とうぜん全面戦争をしかけるでしょう。

 けれども、いちおう戦争を開始するための理由づけ(プロパガンダ)は用意しておかなければいけません。


 自国アメリカの国民にたいしても、また、国際社会にたいしても、イランと戦争をはじめるための理由がいります。


 だからこそ、さまざまな場所でイスラム過激派によるとみられる犯罪をつくりだし、その「テロリスト」たちの背後から糸を引いているのはイランなのだ、と認めさせることができなければいけません。


 最後につけくわえると、調査報道記者マックス・ブルーメンタールが書いているように、イスラム国(ISIS)はアルカイダとおなじように、元はアメリカの CIA によって組織され訓練された組織で、ソビエト連邦の中東進出に対する抵抗・阻止活動および米国による中東の覇権拡大のために使われていたものです。


 その後、政治的情勢の変化により、ISIS やアルカイダは米軍と交戦するようにはなりましたが、ふしぎなことに、イスラエルと敵対したことはありません。


 たとえばアサド政権を崩壊させたときにも、イスラエル軍はアルカイダと米国の CIA とともに戦ったのです。


 興味深いことに、過激派組織と呼ばれる ISIS のメンバーが負傷したときには、かならずイスラエルの病院に運ばれていたという事実をブルーメンタールが報告しています。


 また、2025年上半期におこなわれたイラン・イスラエル紛争後には、テルアビブの病院の都合により、ISIS のメンバーがアメリカのフロリダ州にある病院へ運びこまれて治療を受けていた、という事実もつかんでいます。


 21世紀の国際情勢はほとんど幻惑的だといわざるをえません。




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