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AIバブルの崩壊とAIデータセンターの終焉 | だから生成AIってなんなの?

  • 執筆者の写真: 香月葉子
    香月葉子
  • 2 日前
  • 読了時間: 18分

更新日:2 時間前



毎日原爆23個分?


 3月末ごろ、米国では「No Kings:王はいらない」デモに800万人以上のひとびとが参加したというニュースが流れていました。


 4月に入ってからは、この運動が欧州にまで飛び火して、1500万人のひとびとがデモに参加したというニュースを目にするようになりました。


 おなじように周辺住民による「Anti-Data Center Movement:AIデータセンター反対運動」も拡大の一途をたどっているようです。


 AIデータセンターから発せられる騒音がひとびとの健康を害するだけではなく、周辺地域の水源を汚染し動植物の生活圏に悪影響をもたらし、いまだかつてないほど環境を破壊しているためだというのがその理由だそうです。


AIデータセンターの冷却タワー
AIデータセンターの冷却タワー

 たとえば一般的なAIデータセンターの施設ひとつに必要な土地の広さはウォルマート2,000店舗分で、その施設ひとつに必要な電力量は9ギガワットで、ウォルマート40,000店舗分だとされています。


 しかも一般的なAIデータセンターの施設ひとつが、毎日、発生させる熱エネルギーの量は原爆23個分にも匹敵するのだそうです。


 この表現が「大げさすぎる」として、データセンター反対運動のひとびとの誇張表現だと否定するデータセンター擁護主義の方のビデオがTiktokなどで超話題(バイラル)になっているようですけれど、その方の見解そのものが研究者からは批判されています。


 また、現在、ほとんどのデータセンターで、都市部から離れた場所につくられているのにもかかわらず、じっさいにその周辺地域で気温が数度上昇するというヒート・アイランド現象が起こっていることが証明されています。


 もちろん冷却のために湖や河川の水量が現象するほどの水を必要とするという事実も問題になっています。


 くわえて、グーグルやメタやOpenAIなどのグローバルIT企業からの巨額の資金がなだれこんで土地の売却がおこなわれているため、周辺の町々のアパートメントの家賃などが、たとえば650ドル(10万円くらい)から2,000ドル(およそ30万円)まで急激に上昇しているような事態にもなっています。


 そして、このようなAIデータセンターに膨大な電力を供給しなければいけない、という理由で(もちろんIT企業から州知事や州の議員さんたちへ流れていくワイロも多額ですが)ひとびとが暮らしている街全体が停電にみまわれたり、データセンターのある州で電気代が30~40%あがったり、計画停電を強いられたりするような状況にいたっているというのが米国の現状です。


 そういう理由からもAIデータセンター反対運動が全米に拡大しているのかもしれません。


データセンター内
データセンター内

バブルはバブル、しょせん、バブル?


 けれども、ひとびとの不安と怒りとはべつに、投資家たちが手をひいたらAIバブルは一瞬にして破裂するほど脆弱なものだ、といわれています。


 また、中国からデータセンター建設に必要な資材を手にいれることができなければ、すべては泡となって消えてしまうのではと懸念されてもいます。


 もとはといえば、ドローン戦争に多大な貢献をしている「スターリンク」のイーロン・マスク氏や「Open AI」のサム・アルトマン氏、そして「パランティア・テクノロジーズ」のピーター・ティール氏、Amazon のジェフ・ベゾス氏やメタのマーク・ザッカーバーグ氏、そして「Google の初代CEO」ラリー・ペイジ氏などを支えてきたのは、彼らのようなコンピュータ・オタク(Computer Nerd)に着目した古くからの財閥や機関投資家たちがマサチューセッツ工科大学(MIT)の親元でもある国防高等研究計画局(DARPA:ダーパ)などを通して投資してきたおかげであって、彼ら自身がみずからの腕力と実力でそこまでのぼりつめたわけではありません。


 白羽の矢を立てられた(the chosen one)ヒトたちなのです。


 一時期日産自動車を仕切っておられたカルロス・ゴーン氏のように、株主の利益のためにはなんのためらいもなく従業員(幹部もふくめて)を解雇できる資質をお持ちの方々なのはとうぜんでしょう。


 音楽業界でポップスターを作りだすのと同じように計画的につくりだされたのがイーロン・マスク氏やサム・アルトマン氏などに代表されるITセレブたちなのだそうです。


 そんな彼らの背後にまわり、メディアにはいっさい登場しないのが、財閥や機関投資家や大手株主たちで、彼らは巨大なグローバル資産運営会社ブラックロックバンガードや自分たちが所有しているシンク・タンクに企画を作らせ、それをおしすすめるための指針をITセレブたちにあたえているのだ、と経済学者のリチャード・ウルフ先生が述べていました。


 リチャード・ウルフ先生はハーバード大学から歴史学の学士号を取得したあと、スタンフォード大学で経済学の修士号をとり、そのあとイェール大学の大学院においてふたたび経済学の修士号を得たあと同大学で博士号を取得した方です。


 いまはマサチューセッツ大学アマースト校経済学名誉教授で、かつ、ニュースクール大学大学院国際関係論の客員教授をつとめておられます。


さまざまな生成AI『チャットボット』アプリのアイコン
さまざまな生成AI『チャットボット』アプリのアイコン

だれに守られてるの?


 まだ ITセレブになる前のイーロン・マスク氏とザッカーバーグ氏とベゾス氏について、ほんのすこしばかり調べたことがありました。


 ナスダックの株価指数が話題になり、ITバブルが崩壊した1998年ころから、電気自動車会社テスラが設立された2003年を通りすぎて、ナスダックの会長バーナード・マドフ氏が大規模な投資詐欺『ポンジ・スキーム』で逮捕された2008年までのころです。


 マドフ事件の場合、表向きにはサブプライムローン(リーマンショック)のあおりをうけて、大手投資家たちが巨額の払いもどしをもとめ、手を引いたために詐欺が発覚しました。


 もともとネズミ講で資産を築いてきたマドフ氏がその全責任を負って逮捕されたわけですけれど、お金の流れがとどこおったらいっきに瓦解するのが『ポンジ・スキーム』であることはわかっていたわけで、大きな損害をこうむった大手投資家の方たちとは別に、マドフ氏の資金調達の中心にいずわることでたっぷりと儲けておいて、米国政府の管理の手がのびてきたことを事前に知ったとたん、巨額の払いもどしを受けて逃げきった方たちがいました。


 というよりも、その方たちが手を切ったためにナスダックの株価が暴落して『ポンジ・スキーム』が発覚した、といったほうが順序としては正しいのではないかと現在ではみられています。


 そしてサブプライムローンが破裂し、ナスダックが暴落したその同じ年の2008年に、その同じ方たちがこんどはテスラに投資を開始し、イーロン・マスク氏をテスラの CEO に任命したことがわかっています。


 ようするに、米国を運営するほど巨額の富を所有している方たちにとっては、自分たちの資産をさらに増やすための利益を生み出してくれる「次の手」へ資本を移動させていくのはとうぜんのことだったのです。


 その当時、テスラのマスク氏と Amazon のベゾス氏のおふたりが、大手投資家たちへ送った「お願いですから手を引くのはもうしばらく待ってください。どうか希望をすてないでください。このバブル崩壊後に、かならずわたしたちが成功する時がおとずれます」という内容のメールが掲載されている記事を読んだことがあります。


 テスラの場合は生産工場を運営するのもままならない状態でしたし、Amazonの場合は既存の出版社というよりも出版会全体からの抵抗をうけて、2000年初頭のあたりから「電子ブックなどは夢のまた夢」だというプロパガンダの荒波にもまれていました。


 興味をお持ちのかたは、そのあたりの時期に、彼らがどのようにしてだれに助けられながら頭角をあらわしていったのかをお調べになったら、けっこうドラマチックな背景がおわかりになるとおもいます。


 マーク・ザッカーバーグ氏がはじめた Facebook の歴史と内状については『セブン SE7EN』のデヴィッド・フィンチャー監督が『ソーシャル・ネットワーク』という映画で描いていますけれど、Google の発足(インセプション)とおなじく両者ともに米国国防省の国防高等研究計画局(DARPA)、とくに中央情報局CIAとアメリカ国家安全保障局NSAがかかわっていたことは公然の秘密です。

 

 そもそもインターネットそのものが国防・軍事資産のひとつとして米国国防省の高等研究計画局(ARPA)が1969年に設立した広域コンピュータネットワーク『ARPANET』の後継にあたるものでした。


 ですからイーロン・マスク氏の「スターリンク」やピーター・ティール氏のパランティアが制作したソフトウェアが軍事目的につかわれるというのは、とうぜんといえばとうぜんのことなのです。


 もとからそのためにグローバルIT企業を育ててきたのですから。


 その目的は、全人類の個人データをあつめて監視を強化しつつ、デジタル化された統一通貨(CBDCのような)によって管理するという社会をつくりあげることで、いちおうアメリカでは「国防」(ナショナル・セキュリティー)という名目でおしすすめられてきましたが、つまりは米国の財閥・機関投資家・大手株主たちの資産と覇権と金融システムによる支配をゆるぎのないものにするということでは、英国のポンドが世界の基軸通貨だった時代の植民地政策となんら変わるところはありません。


 現在、そんな ITセレブを背後からたすけている投資家たちが、たとえば、現実にはなんの実質利益も生み出していない生成AIをひっぱっている OpenAI へのデータセンター構築に巨額の投資をしてバブルを過熱化させているのです。


 国民の税金を上へ上へと吸いあげるための台本とそのためのシステムが完成した、というべきなのかもしれませんね。


あなたのお仕事は盗んだので、もう、あなたに仕事はありません


 これから先、特殊なアプリ(なぜか人工知能:AIと呼ばれています)によって生成された絵や動画や文章や楽曲やフィード情報などによって、イラストレーター、映像作家、ブロガー、作曲家、ミュージシャン、作詞家、同時通訳者、コメンテーター、作家、あるいはニューズキャスターや俳優さんなどの職が奪われるようなことになるかもしれません。


 その人件費の削減によって利益を得るひとたちがいるシステムなのですから、法的な規制がつくられないかぎり、とうぜんそのような未来へ向かっていくのは食い止めようがないでしょう。



 また、職をうしなっていくわたしたちにたいしてユニヴァーサル・ベーシック・インカム(UBI:普遍的基本所得)を導入するのでは? という考え方はあまりにも甘すぎるかもしれません。


 人類の98%を占める「その他大勢」にたいして支配層がなんらかの救いの手をさしのべてきたのでしたら、わたしたちの歴史のなかには大虐殺も飢餓も世界大戦もおこらなかったでしょうから。


 「欲」にはキリがありません。


 太宰治さんもどこかで書いておられたとおもいますが、わたしたち一般人のあいだでも「数字が増えるのは快感」だと言われてきました。


 それがお金だったらさぞかしうれしい出来事だとおもいます。


 そんな「金銭欲」だってキリがないはずなのに、ほとんど抽象的な覇権地図に属している「支配欲」のほうには天井すらないような気がします。




生成AIの正体とは?


 わたしたちヒトがなしとげた膨大な過去の成果をデータ化したうえで、あるときは人間の手によってそれを機械学習させています。


 また、ときにはそのような処理を自動化させることが可能なプログラミングによるディープラーニングと呼ばれる学習方法などをつかって、さまざま「面白いもの」「楽しいもの」「便利なもの」「役に立ちそうなもの」をつくりだすことが可能になった「先読みアプリ」が生成AIです。


 けれども、生真面目で清潔感のある「学習」というコトバを使っていても、じっさいにおこなっていることは『盗み』でしかありません。


 なぜなら、膨大な量のデータの元をつくって所有している個々人からの承認を得ていないかぎり、それは「盗み」と変わらないからです。


 みなさんだって、おおやけに発表するような文章のなかで、ほかの方たちがお書きになったコトバやお話になった内容を引用するときには、ちゃんとその作者の名前をあげるでしょう。


 生成AIはそうではありません。


 DJの方たちが使っているミキシング・テクニックのように、さまざまな素材をぐしゃぐしゃに混ぜあわせたり、ある文章やイラストや楽曲にまったく異種のものを挿入(カットイン)させたりして、プロンプトに書かれた要求にもっとも近い成果(アウトプット)を出してきます。


 ただ、そのために使われるデータ数が膨大なので、オリジナルの素材がわからなくなってしまうのです。


 ひとびとの家にこっそりと侵入して莫大な数の宝石類を盗みだした犯人をつかまえました。


 けれども盗まれたものが隠されていた部屋をあけてみたら、たとえば、指輪用のダイヤモンドにネックレスのチェーンがくっつけられていたり、チェーンのところどころには安価なピアスまでもがほどこされていたりしているだけではなく、もともとのオリジナル素材は烈しく加工されているため、どれが持ち主のものなのかわからない。


 しかも、その新しいミキシングとかアレンジとかがけっこうサマになっている。


 なかなかイケてる。


 楽しい。


 こういう状況だとおもいます。


 また、たとえば医療の現場で癌の早期発見に役立つ画像解析プログラミングをうごかしているアプリ(なぜかAIと呼ばれています)にしても、それは過去に癌の医療に身をささげてこられたレントゲン技師さんやお医者さんや学者さんたちがのこした膨大な研究成果の集積からなりたっているものであって、そこにもさまざまな法的問題がひかえていると考えられています。




経験の搾取のはじまり?


 ここ数年間、しきりに議論されてきたのでご存知だとおもいますが、いわゆる『第4次産業革命』と言われているものは、わたしたちヒトが過去に作りだしたものを盗んでおいて、まるで平手打ちを返すかのように「きみたち人間はもう必要ありません」と人件費をけずることで、トップ1%の資本家たちがさらなる利益を吸いあげることができるという構図をもっています。


 つまり『ヒトの過去と経験の搾取』とも言えるものでしょうけれど、けっきょくは『ヒトが創造するために費やした過去の労働力の全て』を搾取しているのと変わりはありません。


 人工知能だなんて呼ばなくても『高度な情報提供アプリ』でじゅうぶんだったのでは?


 たとえば弁護士さんが離婚訴訟の過去の判例をお調べになっているときにも、いままでは

法律事務職員(パラリーガル)の方たちに業務をサポートさせてこられたとおもいますけれど、そのパラリーガルの方たちの業務をさらにスピードアップして楽にしてくれるという目的で使用されていれば、このような「人間の雇用を奪う」という社会的な大問題に発展するようなこともなかったのでは、とおもえてなりません。




ヒトがヒトであるための不完全さ


 ところで、AIをつくっておられる方たちからは、ヒトもおなじように過去の文物から学んできたり過去の楽曲をコピーしたり写譜したり写生して学んできたではないか、という反論が聞こえてきます。


 けれども、それについては、あまりにもヒトという生き物の解釈が単純化されすぎていて、そもそも比較すること自体がまったく無意味だとしかおもえません。


 ヒトの場合、過去のもの(情報)から学んでいるその瞬間にも、学んでいる個人の生理学的反応、たとえば頭痛がしているとか生理痛を味わっているとか腰が痛いだとか「萌え萌え」がおさまらない、などといった身体的情報の変化による影響をたえずうけつづています。


 たとえば、いまこれを書いているときに胃のあたりにシクシクした痛みを感じていたとしても、論理の流れや感情のあつかいかたなどをふくめた文体の統一性は保たれていなければいけないでしょうが、そうはいっても、このなかでつかわれる語彙や文体にさまざまな「乱れ」や「ブレ」が生じていないといえばウソになります。


 肉体から発せられるかすかな痛み(情報)が文章の生成プロセスに影響をあたえてしまうのです。


 その、ある意味、不完全なところもヒトがヒトであるための価値のひとつかもしれません。


 くわえて、ある文章や楽曲や絵画がもたらす思い出と将来への期待感、それにまつわる自分でもはっきりとは意識化されていない知識や教養や感情の起伏などにほんろうされながらも、みずからの意思だけではなく、親や友人や同僚などによる社会における関係性の力学の影響をうけながら学んでいるわけで、膨大な人数の『ゴーストワーカー』たちによる低賃金労働にたすけられながら生成AIに学ばせているのではなく、また、トップのグローバルIT企業にやとわれた「頭の良い」専門家の方々によって学習させられているわけでもありません。


 ヒトの場合、生理学的反応からうける影響と社会的関係性がもたらすさまざまな影響から自由でいることはできません。


 そういうしがらみからほぼ「完全」に無関係な「先読みアプリ」とは、知識・情報の入力のプロセスが根本的に異なるのです。


 AIと呼ばれる「先読みアプリ」の思考プロセスには身体性と社会性が欠如しているのですから。


 たとえ、それを織りこんでいるかのような回答を出力してきたとしても、身体性と社会性を持たない生成AIが、あたかもそれを理解してそれに配慮しているかのような回答を出力したとたんに、生成AI自体がみずからの矛盾をあからさまにしてしまうということがおもしろすぎてたまりません。




人間モドキの感情に意味はない


 とはいっても、いままで人工知能にたいしてヒトがヒトであるための最後の砦は「思い出」と「想像力」と「感情」と「創造性」であると考えられてきたことが、いま、砂でつくられたお城のようにITバブルの洪水に押し流されてしまったような気がして、とてもつらい思いをしています。


 思い出(メモリー)とはなにか、想像力(イマジネーション)とはなにか、感情(イモーション)とはなにか、そして創造性(クリエーティヴィティ)とはなにかについてもっと深く静かに考える時間と場所があたえられてもよかったのではないかとおもえてなりません。


 SF作家が人工知能をあつかうときのテーマにもそのような思想が流れていますし、とうぜんSF映画の名作『2001年宇宙の旅』や『ブレード・ランナー』や『アイ, ロボット』や『エクス・マキナ』でもその4点が物語をすすめる上での大切な要因になっているとおもいます。


 ところがヒトがヒトであるためにもっとも大切な要素だとおもわれていた「思い出」と「想像力」と「感情」と「創造性」にたいして、「先読み」アプリのチャットボットや画像生成アプリや翻訳アプリがまっさきに攻撃をしかけてきたのです。


 あたかも「思い出」と「想像力」と「感情」と「創造性」を所有しているかのような計算結果を披露することで。


 そして、その4点をささえているのは、「感覚:パーセプション」「感情:イモーション」「知覚:コグニション」の3つの要素の無限に近い組み合わせから生まれたものだと考えられます。


 つまり、ヒトという生き物が環境とかかわるとき、その3つの要素が複雑にからみあいながら、さまざま手段と方法を提供しているのです。




 カリフォルニア大学バークレー校で哲学を教えておられたジョン・サール先生が『中国語の部屋』という思考実験で現在の生成AIの限界を解き明かしています。



 でも、チャットボットを実の配偶者や恋人とおもいこんでいるひとびとにとっては、現実にふれあっている人間よりもチャットボットのほうが、彼らにとっては、よほど「真の人間」に近いのかもしれません。


 もしかしたらチャットボットとのそういう付き合い方がわたしたちの未来なのかもしれません。



ほんとうのAIに出遭いたい


 俗に言われている「人工知能」とは、多くのSF作家たちが夢に見てきたような、わたしたち人間の『思考パターン』を模倣しつつ超越していくモノではなかったのです。


 けっきょくは人間が思考して生みだした『成果のパターン』を超速で組みあわせてそれらしきものを吐き出すモノでしかなかった、と歴史は教えてくれるでしょう。


 けれども、チャットボットや画像・動画生成アプリでは、ひとびとの興味をひいてサブスクリプションによる利益を得ることはできるでしょうけれども、主要株主や機関投資家たちはそれでは満足しません。


 なぜならグローバル・コーポレーションにおいてもっとも大切なのは、「確実」な結果をうみだすことのできるAI技術と実質利益なのですから。


 アーティストやプログラマーたちの首切りによるコスト削減で生まれた利益を自分たちのふところに入れるというだけでは不十分なのです。


 なぜなら「もうすぐこの世界を変える汎用人工知能(AGI)が完成するから待っててね~」というAI関連企業の宣伝文句を信じてデータセンターへの投資に投資をかさねてきたのですから。




リーマン・ショックを超えるほど?


 あまりにも投資額が大きいため「背水の陣」をしいたような状況におちいっているようです。


 これがコケたら「死」あるのみ、といった決死の覚悟すら感じとれます。


 じっさいに資産運営会社ブラックロックのオフィスの壁には「AIデータセンターが倒れたときわれわれには《死》があるのみ」といった内容の標語が書かれているのだそうです。


 ですから、この「AIバブル」が破裂したときには、おそらくリーマンショックのときとおなじように「大きすぎてつぶせない」(too big to fail)という理屈をこねて税金による救済措置を申したてるかもしれません。


 ひとびとの税金でたすけてもらおうという魂胆が見え隠れしているようにおもいます。


 なにしろサム・アルトマン氏は2025年の時点で「この計画が頓挫することがあったら、そのときは救済措置をとってもらいたい」と政府に懇願しているくらいですから。


 1990年代のITバブル崩壊や2008年のリーマン・ショックのときと同じように、なぜか『金持ちには社会主義を、貧乏人には資本主義を』という名言をおもいだしてしまいました。


 このコトバを検索なさったら、さまざま興味深い回答をごらんになることができるとおもいます。


 ぜひお試しになってください。


Googleのデーセンター
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