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世界最終戦争への雑感 ① | ふたたびイラン・イスラエル戦争が始まったら超ヤバイの?

  • 執筆者の写真: 香月葉子
    香月葉子
  • 10月9日
  • 読了時間: 19分

更新日:6 日前




わたしはもっとも正しい戦争よりももっとも不正な平和をえらぶ。

     - キケロ(古代ローマの哲学者・政治家)-




それほどイスラエル&アメリカはヤバいわけ?

 今年2025年の7月に公開した『イラン・イスラエル戦争の原因と背景 | 不可視の洗脳と最終戦争への序曲』でご説明したとおり、イスラエルはおそらく今年の終わりまでにはイランとの全面戦争に踏み切るはずです。

 そうならないことを祈っています。

『12日間戦争』から3ヶ月がたちました。

 今年の6月におこなわれた『12日間戦争』では、イランのイスラエルにたいする応酬によって550発におよぶ弾道ミサイルと1,000機におよぶ自爆型ドローンがイスラエルの主要軍事施設と港湾施設、そして首都のテルアビブを襲いましたし、イランも甚大な被害を受けたようです。

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 イスラエル側の発表によりますと『12日間戦争』においてイランの120におよぶ防空システムを破壊したということです。

 西側諸国はイランにたいして厳しい経済制裁を行なってきました。

 現在はさらに厳しい制裁を発令しています。

 けれどもブリックス諸国のロシアと中国とインドの援助もあり、イランの原油輸出と生産はいまだかつてないほどの新記録を達成したのだそうです。

 2025年10月8日付のニューズによりますと、イランの石油相モフセン・パクネジャード氏は国営メディアに対して「現在の原油生産は1日あたり12万バレル以上増加しています」と述べています。

 ただし、情報源がイラン独立系テレビ局からのものなので、ウクライナの『ウクルインフォルム』や米国の『フォーブズ』や英国の『フィナンシャルタイムズ』同様にすこしバイアス(かたより)があるかもしれません。

 たぶん『12日間戦争』というネーミングはナポレオンの『6日間戦役』からインスパイアされたのでしょうけれど、この冗談とも皮肉ともつかない命名による戦いで多くのひとびとが亡くなりました。

 1,190人におよぶイランのひとびとが亡くなり、4,700人近い方たちが負傷しました。

 この半数は一般市民でした。

 イスラエルでは28人の一般市民が殺され、このうちのひとりは軍人で、負傷した方たちは3,238人におよびました。

 ソーシャルメディアの発達した21世紀の現在、ドローンやミサイルが飛来して都市を破壊するようすを手のひらの上のスマートフォンで見ることができますが、その落下地点で命を失っていくのがヒトという生き物であることは、古代時代の戦争からなんら変わりません。

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 戦争は一般人にとっては惨劇ですが、それによって大儲けできる支配層の方たちにとっては「胸の躍る」日々の連続です。

 とくにグローバルな武器製造会社のトップやその株主や機関投資家の方たちにとっては。

 彼らの目に映っている「戦争」はルーレットや競馬や宝くじのような「賭け事」ではありません。

 戦争をはじめることさえできれば、確実に巨万の富を得ることのできるもっとも安定した収入源になるのですから。

 西側諸国、とくにアメリカにおける経済成長の鈍化とバブル崩壊の予兆のなかで、彼らのデスクの上にはさまざまな懸念材料がならべられているはずです。

 そんな状況下でもっとも手っ取り早く資産を増やすことのできる手段とはなにか?

 それが戦争なのです。

 そもそも投入される資金の桁がちがいます。

 じっさいに動く額がちがいますし、あつかえる金融資産の量もちがいます。

 また他国と戦争をするためには、国家が武器製造会社や関連会社に巨額の税金を投入しなければいけません。

 じっさいに戦争が始まったら従来の防衛費だけではすまされません。

 また、平和時とはまったく比較できないほど製造業の生産性をあげなければいけなくなります。

 大切なのは、たとえ21世紀ではあっても、けっきょくはぼうだいな量の銃弾・弾薬(ammunition)をつくるための『鉄』と『鉛』の確保と製鉄所の生産能力をどのくらいまであげられるかという底力でしょう。

 まさに一国が一丸となって事にあたらなければいけないような状況になるのはまちがいありません。

 そのためには巨額の補助金が必要となります。

 それを株主や投資家たちがじゅるじゅると吸いあげていくのです。

 20世紀初頭あたりから戦争が支配層の資産を増やす手段として選ばれてきたのはそのためでした。

 新車のセダンの値段が500万円前後なのにくらべてパトリオットミサイル1本のお値段は6~7億円します。

 それをひと晩ですくなくとも200〜300本は消化するのですから、彼らにとっての戦争はニューヨーク市で最高といわれるグルメ料理よりもはるかにおいしいはずです。


ホンキで全面戦争をするつもりなの?

 中東諸国に点在している米国の軍事施設や空軍基地にはこびこまれる兵器の量や種類、そして海兵隊員の数は、10月に入ってから増加の一途をたどっているそうです。

 そのため今回はほとんど全面戦争に近いものになるのではないかとみられています。

 10月中旬から11月末までに『イラン・イスラエル戦争第2弾』が始まる可能性だってあります。

 そのときは前回とおなじように米英とイスラエルがひとつになってイランへ攻撃をしかけるでしょう。

 ホルムズ海峡が閉鎖されることがないように祈っています。

 資本主義の動力源である原油の調達ができなくなれば、24時間眠ることのない世界経済システムに多大なマイナスの影響をおよぼすことは確実でしょうから。

 ただ、2021年の時点では、わが国はイランから石油を輸入してはいません。

 だからといって、たいした影響はないかもしれないとホッとできるともいえないのです。

 他国のうけた打撃がくるりと地球をめぐって別のカタチでこちらへ飛んでくるかもしれないのですから。

 21世紀の世界では地球のうらがわで起こっている出来事にたいして「知らんぷり」をすると翌朝にはその無関心にたいする「しっぺ返し」がきます。

 もともとネタニヤフ政権の思惑は中東における紛争を拡大すること、つまりエスカレーションそのものなのですから、中東の情勢が悪化するのはしかたがありません。

 1990年代、イスラエルは米国の『噛ませ犬』だと呼ばれていたくらいですから。

 たとえばイスラエルが去年2024年の1年間に米国の経済&軍事支援を受けながら爆撃した地域や国々はつぎのものです:

①パレスチナのガザ地区

②ヨルダン川西岸地区

③シリア

④イラン

⑤レバノン

⑥イエメン

⑦カタール

 米国そのものも1991年以降から2022年までに全世界において251回におよぶ軍事介入をおこなってきました。

 これは米国議会そのものによる資料からのデータです。

 両者ともども悪名高い『戦争職人』であり『破壊職人』であることに変わりはありません。

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 ただし、このようなニューズがもたらす不安感と、さらなる戦争をあおる声によって忘れ去られた場所で、今日もパレスチナのひとびとの虐殺はおこなわれ、イスラエルが計画的に作り出した食糧不足による餓死者の数は増えています。

 そしてその犠牲になっているのは子供たちです。

 この2年間ですでに2万人以上の子供たちが殺害されました。

『持てる国』と『持たざる国』とはべつに『生贄のための国』というカテゴリーも必要なのかもしれません。

 だれのための生贄なのか、と問われれば、もちろん支配層の方たちが利益を得るためにささげられた生贄であることは、すぐにおわかりだとおもいます。

 イスラエル国防軍(IDF)の若き兵士たちが、空に向かって銃をふりあげながら「われわれはナチスだ」と自慢げに叫んでいるようすがソーシャルメディアで拡散されて話題になりました。

 みなさんもご存知のように、哲学者で経済学者だったカール・マルクスの「歴史はくりかえす。1度目は悲劇として。2度目は喜劇として」ということばは有名です。

 40年くらい前に使い古されてしまったとおもっていたのですが、このことばがいまは現実味をおびてきました。

 ただ「2度目は喜劇として」を「2度目はさらなる悲劇として」ということばに置きかえたほうがいいかもしれません。


だから米国の一極支配でこうなってるんだってば

 もともとこの中東紛争は『大いなるイスラエル』(Greater Israel)を築きあげるという目的のための手段でしかありません。

 ネタニヤフ首相は過去40年のあいだそれを言いつづけてきました。

 必要とあればパレスチナのひとびとを『皆殺し』にするつもりでしょうし、それでも足りなければ200万人以上のパレスチナ人を国外へ追い払い、彼らの保護と経済援助はエジプトとヨルダンにおしつけるつもりだとおもわれます。

 ご存知のとおり、エジプトとヨルダン、またカタールなどは、そろって米国の傘下に入っていますので、あまり強いことは言えません。

 わが国とおなじように米国からの『年次改革要望書もしくは勧告書』をうけとり、米国の支配層およびエリートの意向に沿った経済・政治・文化・国防政策をおしすすめなければいけない国々です。

 主権国家とは名ばかりで、じっさいには米国の支配下にある国々です。

 とうぜんそれらの国々で選ばれる党首や総理や大統領などは米国の意思を反映できる人物でなければいけません。

 そのために米国からの支援金(政治献金と賄賂をふくみます)とメディア・コントロールによって彼らをそのポストにつけさせたのですから。

 英国のスターマー首相、仏国のマクロン大統領、独逸のメルツ首相などネオコン・グローバリストと呼ばれる方たちはその代表です。

 一部の国際政治学者の方々からは『三馬鹿大将』(The Three Stooges)と呼ばれているようです。

 そのネオコン・グローバリストの生みの親は、みなさんもご存知のとおり天才投資家と呼ばれ「イングランド銀行を潰した男」という異名をもつジョージ・ソロス氏です。

 彼はグローバリズムの思想的な土台を提供した(2002年)だけではなくそれを世界のすみずみにまで波及させるための青写真を提供するシンクタンクの創設者でもあります。

 そんなグローバリストの彼らは、いま、ロンドン銀行と米国の武器製造メーカーとその株主たち、そして機関投資家たちをもうけさせるために、なにがなんでもウクライナへの武器の供与と資金援助をつづけ、米国よりも多くの核兵器を所有している大国ロシアへの最終戦争をしかけるかのような政策をさらにおしすすめようとしています。

 国民はいまだかつてないような反戦・反政府デモをおこなっているというのに。

 グローバリストの命がとくに風前の灯になっている国はフランスとドイツらしく、つぎに選挙がおこなわれるときには、マカロン大統領とメルツ首相の当選があやぶまれるのではないかとおもわれているようです。

 つづいて英国のスターマー首相が崖っぷちに立つことになるのではないかとも。

 国家を運営している側と国民との意見が乖離してゆく状況は欧州の歴史のなかではなんどもありました。

 ふたたび『革命前夜』とでもいうしかない気配がただよってきたようです。

 欧州がそんな状況におちいっているのにもかかわらず、西側の大手メディアはそれを真剣に取りあげようとはしません。

 メディアを所有している方たちがだれなのかをお調べになったら、その理由はすぐにおわかりになるとおもいます。


パレスチナとイスラエルに平和はおとずれないの?

 わたしはイスラエルとパレスチナの領土問題が『二国家解決』によって解決できるという考えは夢物語だとおもっています。

 現在の状況とこれからはじまるであろう『イラン・イスラエル戦争第2弾』を視野にいれたうえで考えてみますと、極端な言い方かもしれませんが、イスラエルが消滅してパレスチナ国家が樹立されるか、もしくはその逆になる以外に道はないような印象をうけます。

 なんでもかんでも『ハマス』のせいにして和平交渉をつぶしてきたネタニヤフ首相。

 10歳以下の子供たちをふくむだれでもかれでもを『テロリスト』あつかいして和平交渉を拒絶してきたネタニヤフ首相。

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 パレスチナ人は「人間以下の生き物だ」とみなしているパルタイ国家のプロバガンダに染まったイスラエルのひとびとが『二国家解決』に同意するのでしょうか?

 彼らがおこなっているネタニヤフ首相への抗議デモは、たしかにテルアビブの街路を埋めつくし、首相官邸をとりかこんでいるかもしれません。

 けれども、それはあくまでも「ハマスに捕らえられている自分たちの子供や親族を早くとりもどしてほしい」というものであって、虐殺と飢餓の犠牲になっているパレスチナのひとびとを救うための反政府デモではないことに気づかなければいけません。


※註 この記事を公開した翌日の10月10日に、イスラエルとハマスのあいだでの停戦と人質解放をめぐる合意が承認されたというニューズが発表されました。

 これについては次のエッセイ『世界最終戦争への雑感②』で書くつもりです。


いったいだれがアメリカの所有者なの?

 ソビエト連邦が崩壊したあと、1991年あたりから圧倒的なまでの一極支配に乗り出してきた米国。

 その米国を操作してきたのはイスラエルだと考えられています。

 というよりも、米国の財閥や機関投資家や巨大コーポレーションの株主たちのほとんどがアシュケナージ系ユダヤ人であり、彼らの財力によって米国の連邦議会そのものが買い占められたために、イスラエルの思惑に沿った政策がとられてきたのだというのが、米国の著名な国際政治学者さんや地政学者さん、そして元CIAで働いていた方たちの意見です。

 『アメリカの白黒思考とメディアの役割』でも書きましたが、バークレー大学の社会学者だったロバート・ブラウナー教授にいわせると、たとえば、いっけん与党と野党がぶつかりあっているふうに騒ぎたてたり、もしくは対立するふたりの候補が争っているかのようにあおられていたとしても、すべては政治的な茶番劇(political theater)でしかない、というところにおちつくということでした。

 なぜなら、さきほど説明したとおり、米国の支配層(財閥およびグローバルコーポレーションの株主や機関投資家)にお金が流れるようにするための経済政策を実行するという点に関しては両者ともども変わりはないからです。

 たとえばワクチン導入やAI開発のための助成金やエネルギー・食糧問題などに関して、はじめは論争するフリをしますが、けっきょく両者ともどもその件には触れなくなり、そのうち国外の脅威に国民の注意をそらしつつ、自国の経済状況にたいする責任はすべて海の向こうの遠い国や国民人口の数%にもおよばない移民に転嫁し、みずからはなんの手を打つこともなく支配層とエリートへ国民の税金を『送金』(money transfer)するというシステムができあがっているからだそうです。

 たとえばエジプト・ヨルダン・カタールなどに目をむけるとおわかりになるとおもいますが、イランなどとおなじくイスラム教国であるのにもかかわらず、『西側』の金融システムと安全保障の傘下に入っていますので、米国の連邦議会をお金で買い占めているイスラエルには強いことが言えないのはとうぜんなのです。

 だからこそ、和平交渉におもむいたハマスの幹部2人とカタールの警備員数人が、カタールの首都ドーハへのイスラエルによる空爆によって殺害されたとしても、その『蛮行』にたいしてカタールを運営している方たちは強いことが言えないのです。

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 国際法を無視したイスラエルの暗殺行為と自国カタールの首都への無作法な行為にたいして国民のほうは声をあげているのにもかかわらず。

 もちろんカタールの軍部がイスラエルによる攻撃を米国側から知らされていなかったということは大きなウソです。

 またトランプ大統領が「イスラエルからは何も知らされていなかった」と知らんぷりをしたのもまったくのお笑い草です。

 大昔に男の子たちが読みふけっていた『嗚呼!!花の応援団』という漫画から流行したことばを借りると「役者やのぉ~」とトランプさんに言い返さなければいけないでしょう。

 なにしろ中東最大の米国軍事施設『アル・ウデイド空軍基地』はカタールにあるのですから。

 あの暗殺事件はイスラエルの諜報特務庁モサドとCIAだけによるものではなくてカタール政府と情報機関も関与していたことはいまでは明らかな事実となっています。


ネタニヤフとヒトラー?

 西側諸国の支配層から『ビビ』という愛称で呼ばれていたネタニヤフ首相のイメージは、いま、ドイツ第3帝国の総統だったアドルフ・ヒトラーと比較されるほどに『悪魔的』なものへと変化しています。

 とはいっても、政治家としては、両者ともたいへん『合理的』な方たちなのだとおもいます。

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 ただ、あまりにも合理的に目的を達成しようとするために、その『理に合った考え方』(rationality)が「目的のためには手段をえらばず」というカタチになってあらわれるしかないというところが悲劇なのです。

 とくに彼らによってもたらされた策略や暴力の犠牲になったひとびとにとっては『悲劇』以外のなにものでもありません。

 ところが、この「目的のためには手段を選ばず」という合理主義によってうごいている方たちにはある共通した性質があります。

 それは『奇妙な愚鈍さ』をともなっている、という性質です。

 本人たちにとっては合理的にものごとを進めているつもりが、ふりかえって見たときには、非効率的なとんでもない無駄な行為を死に物狂いでおしすすめていた、という場合がほとんどだからです。

 なぜあんな無駄なことに躍起となって取り組んでいたのか、という疑問がわいてくるかもしれません。

 彼らに共通しているのは、本人にとって「理にかなっていること」であればそれで充分なのであって、他の99%のひとびとにとって「理にかなっていること」かどうかには頓着しないからです。

 もちろんそのような地位と権力を手にしているということも理由のひとつにはなるでしょう。

 さまざまな要素がからみあった複雑な関係性を考えていては何もできない、という結論にいっきに飛びうつる特徴をもっていることも共通点かもしれません。

 それが彼らのパワーの源泉であり、それがまた没落のきっかけでもあります。

 彼らは、ある意味、夢想家なのです。

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 彼らの行為や言説からかすかに感じとれる「異常性」はそういう性質からきているのかもしれません。

 つまり常識に支えられたいわゆる「一般社会」の住人からすると「異常」とか「狂気」にしかおもえない計画を実行できる方たちだからです。

 その行為そのものにはけっして「異常」なところはありません。

 なぜなら「目的のためには手段をえらばず」といった考えに縛られているときには善悪による判断が沈黙してしまうからです。

 モラルが欠如した方法論にならざるをえないからです。

 ただし、それは彼らにとってはもっとも「合理的」な方法論なのだ、ということを忘れてはいけません。

 だから、わたしたち一般人にとって、背すじが凍るほどに異常で残酷に見えることもあたりまえのように行われるようになるのです。

 ですから彼らはけっしてソシオパスとかサイコパスと呼ばれる精神病質者の仲間ではありません。

 ただそう見えているだけで。

 いったんモラルが崩壊して消滅してしまえば、だれでもがそうなる可能性はありますし、だれでもがその異常性を「異常」だとおもわなくなる可能性もあります。

 ヒトラー総統vs.ネタニヤフ首相。

 ちがいは、どちらがより自分の夢の実現のためにすべてを投げ打ったのかという度合いと、どちらが名誉や保身や私利私欲などといった俗念を捨てきれなかったのかという度合いにあるのではないかとおもいます。

「個人としてのヒト」にたいする洞察を武器としている、このきわめて文学的で古典的な視点も、現実から離れていろいろと考える楽しみを提供してくれる『思考玩具』のひとつにはなってくれるのではないでしょうか。


一触即発の危機が迫ってるってホント?

 2025年9月にはいってイスラエルのネタニヤフ政権は南レバノンへの爆撃を激化しています。

 ということは、いままでさんざん空襲をおこなってきたのにもかかわらず、いまだに反イスラエルの武装組織ヒズボラの牙を抜くことができなかったという事実があきらかになったわけで、けっきょくは地上戦になるのではないかとみられています。

 そうなるとイランは黙っていません。

 もちろん安全圏にいると信じてソファにふんぞりかえっていたイスラム教国のエジプト・ヨルダン・カタールなども「もしかしたら狂犬イスラエルはこちらにも噛みついてくるのではないだろうか」という不安をおぼえるでしょう。

 まさか自分たちの首都にドローンやミサイル攻撃をしかけてくるのではないか、と。

 そんな不安が暗雲のように広がるとき、中東全域で政府と国民との対立がはげしくなっていくことが考えられます。

 そういう国々でクーデターや『革命』がおこっては困るのは世界の完全なる一極支配をめざしてきた米国です。

 いつものようにCIAだけではなくイスラエルの防諜機関モサドが介入していくでしょう。

 そしてその国々で反政府運動をおこなっている学生や労働者を背後からあやつっているのはテロリスト組織である、という喧伝を流したり、中国やロシアやインドなどのブリックス諸国がけしかけている、というプロパガンダを流しはじめるでしょう。

 なにしろ世界のソーシャルメディアを支配しているのはグーグル・アップル・メタ・インスタグラムなどであり、その持ち主はみなアシュケナージ系ユダヤ人の億万長者で、イスラエル第一主義のシオニストたちです。

 つい先だっては、金融機関や製造業や一般企業でデータベースの管理をつかさどるソフトウェアを開発した『オラクル』の創業者ラリー・エリソンが『TikTok』を買収したというニューズが流れました。

 それについてはネタニヤフ首相が数週間前にも記者団を前にしたインタビューで「世界中でわれわれユダヤ人にたいするイメージがネガティヴなものになっているのは残念なことである。これにたいしてしっかりとした対抗策を講じなければいけない」と述べたあと「そのためにはソーシャルメディアという武器を使わなければいけない。つまり現在もっとも若いひとびとに影響をあたえているものを変えていく必要がある。それはソーシャルメディアだ。戦場はソーシャルメディアに移っている。そしていまいちばん最初に買収しようとおもっているは『ティックトック』(TikTok)だ」と宣言していましたが、まさにその通りになりました。

 現代の戦争はプロパガンダからはじまり真実があらわになったときに終わる、ということばを思い出さずにはいられません。

 いまネタニヤフ首相は死に物狂いに突っ走っている印象です。

「もしも米国がイラン攻撃への軍事支援をしてくれないのであれば、われわれイスラエルはイランにたいして核爆弾を使用する覚悟がある」

 そのようにネタニヤフ首相がトランプ大統領を脅迫したという情報までもが飛び交っているくらいですから。


第3次世界大戦後の世界って?

 第3次世界大戦はミサイルとドローンが飛び交ってはじまり、核爆弾によって終結をむかえると言われています。

 その後、もしも人類が『核の冬』を生きぬいていて、まだ他人と戦う気力を失っていないひとびとがいたとしたら、第4次大戦はたぶんナイフや弓矢で殺し合ったりするのでしょうね。


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